中国産主原料不使用のおせちはなぜ選ばれるのか。博多久松の取り組みから見えてくること

最近、食の安全ばかり気にして、家族と一緒に食卓を囲む時間そのものを楽しむ余裕を忘れていませんか。
おせちを選ぶとき、多くの方が一度は目にする言葉があります。中国産主原料不使用というフレーズです。
年末が近づくと、この言葉を掲げたおせちがずらりと並びます。安心できそうという印象はあるものの、実際にはどこまでのことを指しているのか、意外と知られていません。
今回は、この表現の意味と、博多久松というおせちメーカーがこの取り組みにたどり着いた背景について、順を追ってお話しします。
中国産主原料不使用のおせちが、今これだけ選ばれている理由
おせちの原材料表示、実は一括表記でも法律上は問題ない

おせちは重箱の中に数十品もの料理が詰め込まれた食品です。
その分、使用する原材料の数も膨大になります。
消費者庁の食品表示基準では、こうした複合的な商品について、原材料を料理ごとに分けず一括で表示することが認められています。
つまり、どの料理にどの原材料が使われているかまでを細かく書かなくても、法律上は違反にはなりません。
「主原料」が指す範囲と、対象外になりやすい「副原料」の存在

不使用の対象になっているのは、多くの場合、料理の中心となる食材、いわゆる主原料です。
魚介や肉、野菜など、その料理の主役といえる食材が該当します。
一方で、調味料や香辛料といった副原料は、食品業界全体を見ても「不使用」表示の対象から外れているケースが目立ちます。
生協系の中国産原材料リストでも、調味料や香辛料を除いた主要原材料のみを対象にしている例が確認できます。
つまり中国産主原料不使用という言葉は、あくまで主役級の食材に限った話であって、細かな調味料まですべてを保証しているわけではない、と考えるのが実情に近いといえます。
不使用だからといって、それだけで安全性が保証されるわけではない

2022年、消費者庁は食品添加物の不使用表示に関するガイドラインを公表しました。
2024年からは本格的に運用が始まっており、無添加や不使用といった表示について、消費者に誤解を与えない形で行うことが求められています。
このガイドラインの中では、無添加だから安心安全といった形で、健康や安全性と直接結びつける表示は避けるべきとされています。
不使用という言葉自体は嘘ではなくても、それを根拠に無条件に安全だと言い切ってしまうと、表示のルールとしては望ましくないというわけです。
何が使われていないのかを正しく理解した上で選ぶことの大切さ
こうした背景を踏まえると、大切なのは不使用という言葉そのものに安心してしまうことではなく、何が対象になっていて何が対象外なのかを、自分なりに確認しておくことだと思います。
原材料を一品ずつ確認できるかどうかは、その一つの目安になります。
それでも「不使用」を掲げる店が増えている理由
このように、不使用という表示には一定の限界があります。
それでもなお、多くのおせち通販サイトがこの言葉を掲げ続けているのは、原料選びに対する姿勢そのものが、お客様との信頼関係につながっているからだと考えられます。
言葉の意味を正しく理解した上で、その姿勢まで含めて店を選ぶという視点が、これからのおせち選びには必要なのかもしれません。
博多久松のおせちが中国産主原料不使用にこだわる、ちょっと意外な理由
きっかけは2005年、一人のお客様から届いたメール

博多久松が中国産主原料不使用に踏み切ったのは、2005年のことだそうです。
当時、食品業界では中国を拠点にした工場が次々とでき、多くの食材が中国産に置き換わりつつありました。
博多久松でも一部、中国産の食材を使用していた時期があったといいます。
そんな中、あるお客様から「安全なものを安心して食べたいから、中国産を外してほしい」というメールが届いたことが、方針を見直す直接のきっかけになったそうです。
業界でいち早く中国産主原料不使用に踏み切った理由。
おそらく、中国産主原料を使わないおせちを出したのは当店が最初だと思います。そのきっかけは2005年の年末にお客様からいただいた一通のメールによるものでした。
当時食品業界では、大手を中心に中国を拠点とした食品工場が次々できており、消費される食材の多くが中国産と言う状況になりつつありました。博多久松でも一部中国産食材を使用しているものもありましたが、お客様から「安全なものを安心して食べたいから中国産を外してほしい」というメールをいただき考えが変わりました。原料単価も圧倒的に安い中国産食材を外すことは原価高騰に繋がる行為でしたので、当時は社内でも意見が割れました。しかし、お客様からいただいた意見をもとに社内全体で取り組み、中国産主原料を使用しない博多久松のおせちが完成しました。
博多久松 安心・安全への徹底した取り組み より引用

原価が跳ね上がるとわかっていても、社内の意見が割れても

中国産食材は原料単価が安いため、これを外すことは原価の高騰に直結します。
当然、社内でも意見は分かれたそうです。
それでも、一人のお客様から届いた声をきっかけに、社内全体で取り組みを進め、中国産主原料を使用しないおせちが完成したという経緯があります。
先に触れた通り、業界全体で見ると不使用表示には一定の限界があるのも事実です。
ただ、こうした経緯を知ると、少なくとも博多久松にとっては、単なる宣伝文句としてではなく、原価を犠牲にしてでも守りたかった方針だったということが伝わってきます。

一品ごとに原材料とアレルギー表示を明記する手間
原材料の表示は、法律上は一括表記でも問題ないという話を先ほどしました。
博多久松では、あえてこの簡単な方法を取らず、一品ごとに原材料とアレルギー情報を明記しているそうです。

数十品もの料理がある中でこれを行うのは、通常の何十倍もの手間がかかる作業だといいます。
不使用という言葉の限界を、自分たちの手間でカバーしようとしている取り組みとも言えそうです。
細菌検査、X線異物検査、官能検査という三重のチェック体制

原材料の話だけでなく、製造工程における安全管理にも触れておきます。
博多久松では、細菌検査で衛生面をチェックし、X線異物検査で金属片などの混入を防ぎ、官能検査で専門スタッフが実際に味や風味を確認するという、三段階の検査体制を敷いているそうです。
年末年始も対応するコールセンターと、クール便での配送
おせちは注文から手元に届くまで一定の期間があります。
インターネット通販ならではの不安を減らすため、博多久松では年末年始のコールセンター体制を強化し、電話やメール、FAXなど複数の手段で対応しているとのことです。
配送は専用箱に入れ、ヤマト運輸のクール便で冷凍状態のまま届けられるため、型崩れも防ぎやすい仕組みになっています。

今シーズンもこの表示を続けている博多久松の姿勢
なお、おせち業界の一部では、表示ルールの厳格化を受けて、不使用という表現そのものを取りやめる動きも出てきています。
そうした中で、博多久松は2027年新春のおせち特集においても、中国産主原料不使用という表現を引き続き使用しています。
これがどのような社内判断に基づくものかまでは公表されていませんが、少なくとも表示を取り下げていないという事実は、一つの参考情報として知っておいてよいかもしれません。
博多久松のおせちを選ぶときに、見ておきたいポイント
ここまでの背景を踏まえた上で、実際に選ぶ際に見ておきたいポイントを整理します。

何段重、何人前を選ぶか
家族の人数や集まる人数に応じて、段数や品目数を確認しておくと選びやすくなります。
一人前のコンパクトなものから、親戚が集まる家庭向けの大容量タイプまで幅がある点も特徴です。
早割と在庫状況のタイミング
人気のおせちは早い時期に売り切れることも珍しくありません。
早割価格が設定されている時期に検討を始めておくと、選択肢を広く保てます。
楽天グルメ大賞での受賞歴という一つの目安
博多久松は楽天グルメ大賞のおせちセット部門で、これまでに複数回の受賞歴があります。
数字自体がすべてを保証するわけではありませんが、長年にわたり選ばれ続けてきたという実績は、判断材料の一つにはなりそうです。
迷ったら500円のおためしおせちから
いきなり本商品を選ぶのが不安な場合は、少量で試せるおためしおせちから始めるという方法もあります。
博多久松 おためしおせち
味や品質を確認した上で、本命のおせちを選ぶという流れも一つの選び方です。
実際にどのおせちを選ぶかは、最終的には各家庭の好みや予算次第です。
ただ、表示の裏側にある背景を知った上で選ぶかどうかで、その一皿に対する納得感は、きっと変わってくるのではないかと思います。
博多久松 早割おせち